小説サイト エゴ・ウァレオのブログ
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 まずは文庫本裏のあらすじをご紹介。
 
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇偶ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!

 癖のある文章ですが、私はかなり好きです。「恥を知れ。しかるのち死ね。」とか、「諸君、異論があるか。あればことごとく却下だ。」とか。妙に頭に残ります。
 四章立てになっていますが、ほぼ短編連作といった雰囲気です。甲乙つけがたいですが、私は「下鴨神社の古本市」の顛末について描かれた第二章「深海魚たち」が好きです。
 読み終わった後、こちらの方が「まるで空気のように軽い小さな猫をお腹にのせて、草原に寝転んでいるような気持ち」になりました。
 ほのぼのしたい時にオススメです。
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